弁護士か裁判官になろうと司法試験の勉強をしていたんです。あるとき、ラジオから聞こえてきた「昭和の名人」という落語のシリーズを聞いて、その面白さに思わず聞き入って引き込まれてしまったのです。
笑ってホロリとする江戸の人情噺(はなし)とかを聞くうちに、もっと聞きたい、見てみたいと思うようになり、情報誌で探して1人で寄席へ通うようになりました。
大学3回生の頃の右團治さんをとらえたのは、のちの師匠・桂 文治さんの芸でした。いかにも江戸っ子らしい粋な噺っぷりに惹かれ高座に通い詰めます。いつしか司法試験より落語の方を大事に思う自分に気づいて、右團治さんは落語家になろうと心に決めました。
|