いいえ、落語の世界にはもともと個性的な人が多いですから。それに最近はいろんな人が落語家を志して入ってきます。30代、40代で前座という人も珍しくないんですよ。
そんな中には、若い頃に落語家を志して、親の反対や食べていけないと諭されてあきらめたものの、やっぱり夢をあきらめたくないと脱サラや転職してくる人がいます。
歳をとってからではハンディが大きいけれど、そんな方たちは芸のうまい下手とは違って、人間的に個性があって面白いです。いきいきされていますよね。
たとえば、今年真打ちになったある人は保険の営業マンからの転身で、職業柄かいつもにこやかで、それが落語の個性にもなっているんです。また、東京の裕福なお家で、若い頃お金をさんざん使って遊んできた人がいて、遊び方やいろんな世界のしきたりをよく知っていて、それが芸にいずれは生きてくると思います。落語は、噺家その人の環境や個性を映す芸だと思います。
右團治さんは、「東京は武士の街です」と目を輝かせます。現代と江戸を結ぶ右團治さんにとって、東京はそこかしこに江戸の武家文化が色濃く残り、わくわくするほど面白いところなのだそう。
今年(2006年)秋には落語生活20年を迎える桂 右團治さん。熊さん、八っつぁんや横丁のご隠居さんたちに命を吹き込み、まっしぐらに輝き続けています。
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