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2025/4/24

MY “DAY1”
1年目からチームや業務を超えた協働を実現。工場における生産ラインの品質管理プロジェクトの立案・推進で育んだP&G流”リーダーシップ”

「人々の暮らしを根幹から支える仕事がしたい」とグローバル消費財メーカーであるP&Gへ入社した藤田さん。彼女のDay1は、SK-II滋賀工場における生産ラインの品質管理に関するプロジェクトから始まります。入社してから数カ月のOJTで培った知識やスキルを基に、初めてゼロからプロジェクトを立案。滋賀工場のメンバーだけではなく、オンライン越しで海外にいるメンバーも巻き込む等、プロジェクトが前に進むように考え、動いたことで、P&G流の“リーダーシップ”を強く実感できるようになったと話します。そこで今回は、藤田さんがDay1カルチャーの中で育んだリーダーシップについて深堀っていきます。

MY “DAY1” 1年目からチームや業務を超えた協働を実現。工場における生産ラインの品質管理プロジェクトの立案・推進で育んだP&G流”リーダーシップ”

藤田 優美
2023年P&G 生産統括部(PS)に新卒入社。製造を担うマニュファクチャリングチームに配属。入社1年目からSK-II滋賀工場で生産現場の品質管理を担当。2年目からは新設された品質管理プロセスをさらに革新するチームのリーダーとなり複数名の部下をマネジメントする。高品質な製品を安定的に消費者に届けられるよう、世界トップレベルの生産管理を維持する他、より高品質な製品を安定して製造するために生産プロセスの強化・最適化に取り組んでいる。

「人々の暮らしを根底から支えたい」という想いからP&Gへ


――まずは藤田さんがP&Gに入社を決めた理由を聞かせてください。

藤田:私の就職活動の軸を大まかに分類すると「仕事の意義」「影響力」「働き方」の3つが挙げられます。1つ目の意義については、「人々の暮らしを根底から支える仕事」であることを最も重視していました。幼少期を海外で過ごしてから、日本に帰国して驚いたのは消費財の質の高さです。ティッシュ一つとっても、全然品質が違っていて…。そんな高品質な製品のおかげで、日々の些細なことですが、それまでよりも暮らしの質がグッと高まったという実感がありました。だからこそ、企業目的に『消費者の生活を向上する優れた品質と価値を備えた製品とサービスを提供すること』を掲げるP&Gなら仕事のやりがいを見いだせると思いました。

2つ目の「影響力」については、より多くの人々の暮らしを支えたいという想いから、グローバル規模で事業を展開している企業を視野に入れていました。特にP&Gは、世界180ヶ国・50億人もの消費者の暮らしを支えており、そのスケールの大きさに惹かれました。そして、3つ目の「働き方」については、結婚や出産・育児など未来のライフステージの変化にも柔軟に対応できるように、「自ら働き方をコントロールできる環境か」を判断軸に置いていました。P&Gの先輩社員と話していた際、自分の仕事が管理できていれば働き方から時間の使い方まで自分次第、と聞き、働き方も個人の裁量に任せている点が、まさに私の理想としていたワークスタイルでした。
このように私の就活軸とP&Gでできることやその環境がベストマッチしていたこともあり、P&Gへの入社を決めました。

――なぜ、生産統括部(PS)を希望したのですか?

藤田:消費者の暮らしを支えるためには、自らの手で高品質の製品づくりに関わりたいという想いがあったためです。またPSは、製品づくりに携われることに加えて、“メーカーの心臓部”として新製品の生産ライン立ち上げや製造方法の最適化、効率性や生産性の観点からサプライチェーン全体をデザインするなど、責任の範囲が非常に広く、キャリアの選択肢も豊富なことから成長機会に恵まれた部署だったことも魅力的でした。就活当時は、明確なキャリアビジョンがなかったため、働きながら、様々な選択肢に触れてキャリアを考えられるかな、と。
といっても、やはりファーストキャリアには、ものづくりに深く携われるポジションが良かったため、マニュファクチャリングチームへの配属を希望し、現職に至ります。

圧倒的な裁量を実感、OJT重視の1年目


――藤田さんがDay1で担当された業務のミッションや役割を教えてください。

藤田:配属先のマニュファクチャリングチームでは、研究開発(R&D)やイノベーションチームなど、ビジネスチームが考えたプランを製品として具現化することをミッションに掲げています。そしてその役割は、高品質な製品を効率的に生産するために、生産プロセスにおけるイノベーションをリードすることです。言い換えれば、「いつ、誰が作業をしても、常に高品質の製品がつくれるプロセス」の構築や管理を担っています。
その中でも、私が入社1年目で担当したのはSK-II製品を作る生産ラインの品質管理でした。ライン上にある機械の動きや温度、圧力などを細かくモニタリングし、品質基盤の強化を目指したイノベーションの立案から実装をリードするポジションです。

少し話はそれますが、配属後にとてもビックリしたことがあって・・・。配属された直後にも関わらず、私のミッションは、生産現場に一人で行って、現場に詳しくなること、そして新卒のフレッシュな視点から現状の生産ラインをより良いものにするため機会は何か、を考えることでした。もちろん、上司や周囲からのサポートもありましたが、まさにP&Gが掲げる「Day1 = 大きな裁量のもと、初日から自ら考え動く」を身をもって経験した瞬間でした。そして、この経験のおかげで、現場にも詳しくなり、生産プロセスの品質強化に欠かせない視点を1年目から養うことが出来ました。

MY “DAY1” 1年目からチームや業務を超えた協働を実現。工場における生産ラインの品質管理プロジェクトの立案・推進で育んだP&G流”リーダーシップ”

――実際は、どのようなプロジェクトをリードされたのですか?

藤田:入社してから数カ月間、大小さまざまなプロジェクトを担当しましたが、自分でゼロから立ち上げ、成果につながったプロジェクトに、1年目の1月に担当した生産ラインの品質管理プロセスに関する取り組みがあります。生産ラインの機械データをモニタリングしていたときに、不規則的に微差があることに気づき、標準化をするためのプロジェクトを自ら立ち上げました。

自らのプロジェクトで学んだP&G流“周りを巻き込む”リーダーシップ


――1年目からプロジェクトをリードすることは、中々大変だったと思いますが、どのようなチャレンジがありましたか?

藤田:自らプロジェクトを立案して、リードするという経験は初めてだったので戸惑うこともありましたが、それ以上にその微差がなぜ起きているのかが、分からないところからのスタートが一番大変でした。というのも原因が分からないので、初めはいくつかの仮説を自分で立てて、現場のメンバーや海外のメンバーと話し、検証するということを繰り返していたのですが、なかなか「これだ!」という解に辿り着けず・・・。
そして、現場のメンバーも海外のメンバーも各々にとってプライオリティの高い従来の業務があるので、私のプロジェクトは彼らにとって追加の業務になってしまう、という認識もありました。それでも、周りの協力なしには進められないプロジェクトだったので、私たちが高品質な製品を作り続けるために、このプロジェクトがどのようにビジネスに貢献するのか、といった観点から、その重要性を伝え続けました。

――具体的にはどのようなコミュニケーションを取ったのでしょうか。

藤田:常に、簡潔かつ視覚的に伝わるプレゼンテーションを心がけました。特に、海外の研究開発部とのミーティングは英語の上に、専門用語も出てくる状況だったので、そのあたりの専門知識を持ち合わせていない私の説明でも、きちんとディスカッションができるように、実現したいことをロジカルかつ正確に資料に落とし込みました。その甲斐もあり、ビジネスにとって重要であること、そして私が何をやりたいのかを理解してもらうことができ、無事に協力を得られるようになりました。
加えて、現場のメンバーとのコミュニケーションは、ただお願いをするだけではなく、“なぜやるのか”をしっかりと伝えたうえで、実際に私も現場に行き、一体感をもってプロジェクトを進められるように心がけました。原因を探すためには、現場の技術を担当しているメンバーの協力が必要不可欠でしたが、実際に手を動かす作業は時間も労力も要します。だからこそ、ただお願い事項を伝えるのではなく、私自身もできる限り現場で検証に立ち会い、現場での学びを基に、また仮説を立てるようにしていました。
このように相手の状況を考えたうえで、自ら働きかけたことで、プロジェクトを前に進めることが出来ました。

――成果につながる突破口はどのように見つかったのですか?

藤田:現場のメンバーの気づきのおかげです。実はプロジェクトを立ち上げてから、ほぼ毎日のように仮説を立てては検証して、を繰り返していたのですが、なかなか核心に辿り着けずにいました。自分が考えた仮説はほとんど検証した状態だったので、海外や現場のメンバーに「何でもいいから気になる点を教えて欲しい」とゼロベースで聞くように切り替えました。そうすることで、私とは異なる視点から、原因に辿り着けるのではと思ったからです。そして、ある日現場のメンバーが私では気が付かなかった点に気づき、それが突破口となりました。

改めて振り返っても、周囲との協働なしに今回のプロジェクトの成功はありませんでした。そして、このプロジェクトを通じて、P&Gで言われているリーダーシップ「周囲を巻き込み、チームで目標を達成できるよう導く力」を身をもって学びました。加えて、今回の突破口を見つけるに至ったように、リーダーシップ=先頭に立って人をグイグイ引っ張る、のではなく、プロジェクトの目的を達成するために何が必要かを考え、自ら周囲に働きかけ、物事を動かすこともリーダーシップなのだと体感できたことも、大きな収穫でした。

選択肢が豊富なPSだからこそ、未来の自分のキャリアが楽しみに


――1年目の大きなプロジェクトを推進された後はどのようなプロジェクトを担当されることになったのでしょうか?

藤田:プロジェクトを無事に終えた頃に、品質管理プロセスをさらに革新するためのチームが立ち上がり、現在はそのチームリーダーをしています。私の他に、ベテランの方3人とデータ収集や解析を行いながら、より高品質な製品を効率的に生産するためのイノベーションを追求しています。入社2年目でチームをマネジメントする立場となり、業務の捉え方が異なっていること、そして部下へのコーチングを通じて新たな気づきを得ることで、成長速度がまた一段と上がった感覚があります。以前は、生産現場にいる時間が多かったですが、今はオフィスワークの時間が増えたのも大きな変化ですね。

――入社時にはなかったと仰っていたキャリアビジョンについてはいかがですか?

藤田:“協働”の重要性に気づいたからこそ、今後はチームや部をマネジメントできるポジションを目指していきたいと思っています。直近の目標は、30~50名ほどのチームで、生産現場全体を統括する「製造部門のリーダー」のポジションを目指しています。私が所属するマニュファクチャリングチームでは、早い人なら2~3年目から同規模のマネジメントを担うこともよくあるので、上司と対話を重ねながら必要な素養を磨いているところです。

今後は製造部のリーダーになり、経験を積んでゆき、その後にはマニュファクチュアリングから一度離れて、サプライチェーンを担当してみたいと考えています。やっぱり「ものづくり」が私は好きなので、最終的にはマニュファクチュアリングに戻ってきたいのですが、そのためにも市場の需要予測や生産計画の考案といった、様々な角度からサプライチェーンを見ることができるスキルを磨いて、私自身の視座を高めていきたいです。そして、またマニュファクチュアリングに戻り、日本だけではなく、海外の工場での勤務やアリエールやパンパースなど、P&Gがもつ幅広いカテゴリーも担当できたらな、とイメージしています。今後、さまざまな経験を積んでいく中でキャリア像が変化することもあると思いますが、マニュファクチュアリングだけなく、エンジニアリングや購買、サプライチェーンといった幅広いキャリアの選択肢がPSにあるからこそ、「自分のやりたい」を実現できる環境があると感じています。私自身、未来の自分のキャリアがどのように形作られていくのかが、楽しみです。