構造&ガバナンス
コーポレート・ガバナンス概要
P&Gでは、企業目的、共有する価値観、行動原則が、すべての社員の活動の基礎になります。これにはコーポレート・ガバナンスも含まれます。
コーポレート・ガバナンスとは、経営者が自らの利益にとらわれないよう、経営陣、株主、および取締役会がすべての投資家(株主および債権者)に対して、公正で透明な経営を保証する仕組みのことです。
当社のガバナンスは、P&Gの健全経営を守る法規制、明文化したポリシーと業務手順、および実践で構成されています。本概要の方針、手順、および実践は、私たちがいかにコーポレート・ガバナンスを真摯に受け止めているかを表しています。当社の経営陣は長期投資家として行動します。それは、経営陣もあらゆる層のP&G従業員と同様に、長期投資家の一員であるからです。
従業員は長期投資家
1887年、P&Gがまだ非公開会社であった頃、ウィリアム・クーパー・プロクターは従業員向けプロフィット・シェアリング(利益分配制度)の導入を開始し、「私たちは従業員と会社の収益を共有すべきである。インセンティブを社員に与えることで収入増加につながる」と主張しました。彼は1903年にこの制度を改正し、利益分配をP&Gの株式で得られるようにしました。彼は、従業員が株主になることで、従業員の経済的利益と会社の利益がより密接になるだろうと説明しました。
この制度は今日も存在しており、米国の従業員の退職金の大部分はP&Gの株式で構成されています。さらに、ほぼすべての従業員が様々な投資プログラムを通じて、P&Gの株式または新しい株式を引き受ける権利を持っています。つまり、従業員の経済的利益は会社に直結しているのです。
また幹部持株制度(Executive Share Ownership Program)では、CEOは基本給の8倍の価額、その他の上級幹部は基本給の5倍の価額で、会社株式および/または制限付き株式を保有することが定められています。社外取締役は、年俸の6倍の価額の会社株式および/または制限付き株式の保有が定められています。これらの報酬プログラムは、上級幹部・取締役の利益と株主の利益連動を導きます。
企業理念
P&Gは、社内外問わず全世界で高い倫理基準のもとで誠実に活動してきた確固たる歴史があります。会社および全従業員の活動は、企業目的、共有する価値観、行動原則に則ります。P&G社員のすべての活動の原点は、企業目的、共有する価値観、行動原則(Purpose, Values and Principles:以下、PVP)で示されています。当社のPVPの透明性と不変性は、時代を越えた成長の原動力となる一番の要素であり、経営説明責任を果たすコーポ―レート・ガバナンス原則・方針・実践を維持しています。
-
P&Gの取締役会は社外取締役が大半を占めており、経営陣から独立性をもってコーポレート・ガバナンスを実現するという自らの役割を深く理解して行動しています。当社の監査委員会は、財務知識と経験が豊富な独立取締役のみで構成されています。また、監査委員会は、当社の独立監査人であるデロイト・トウシュ・トーマツ(Deloitte & Touche LLP)と非公開で定期的に話し合いを行っています。
-
私たちは、 明文化したポリシーと業務手順、職務の分離(セグリゲーション)、社員の慎重な採用と教育により、厳格な内部統制を行っています。取引はすべて公認された方法で行い、資産が保護されていること、および、会計帳簿がすべての重要な点において米国で一般的に認められた会計原則に則って合理的な保証ができるシステムを構築しています。私たちは、監査自己評価の進行中のプログラムおよび社内・社外監査を通じて、これらの内部統制を監視します。
また、公開すべき情報を適切かつタイムリーに報告するシステムを整えています。 -
私たちは、開示が求められる情報が適切かつタイムリーに報告するシステムを整えています。
当社の情報開示委員会は、重要な事業活動およびイベントについて、情報開示の影響の評価を担当する上級幹部で構成されています。 -
私たちは、従業員が株主に対する責任を確実に理解できるようにするために、特定のプログラムおよび活動を維持することにより財務スチュワードシップを遂行します。この継続的な取り組みは、戦略的および日常的なビジネス上の意思決定における財務上の規律を包含し、正確な財務報告と効果的な統制の維持に特に焦点を当てています。さらに、当社のグローバル・リーダーシップ協議会(Global Leadership Council)は事業の厳格な監督に積極的に取り組んでいます。
-
私たちは、会社の企業理念を通じて、従業員の重要な責任を強化します。これには、高い倫理基準で事業を行うための経営陣のコミットメントおよび取締役会のコミットメントが詳述されています。従業員一人ひとりが、当社の企業理念について研修を受ける義務があり、従業員一人ひとりがコンプライアンスの説明責任を負います。企業理念の一部は、証券取引委員会およびニューヨーク証券取引所の規制目的のためのP&Gの倫理規定が含まれます。
良き企業市民として「正しいことを行う」
私たちの評判は、私たちの行動によって決まります。私たちが伝え、行動すること。そして、製品、提供するサービスすべてが私たちを一つの企業として形作ります。良き企業市民として、「正しいことを行う」姿勢は必要不可欠です。それが、グローバルリーダーとして私たちがビジネスを進めていく唯一の方法です。