2024/8/8
イクオリティ&インクルージョン推進への継続的な取り組み
P&Gの組織作り
P&Gでは、経営戦略の一環として「イクオリティ&インクルージョン(平等な機会とインクルーシブな世界の実現)」を掲げ、多様な社員一人ひとりが、等しく機会を得て能力を最大限に発揮できる組織づくりに取り組んでいます。
「文化」「制度」「スキル」を3 本柱に、1992 年から30年以上にわたって、ジェンダー平等、ダイバーシティ(多様性)、個々の違いを尊重し、受け入れる「インクルージョン」を推進し、多様な社員一人ひとりが自分らしく安心して、能力を最大限に発揮できる組織づくりを進めてきました。
P&Gは、お互いの多様な違いを受け入れ、活かすことで、すべての人に等しく機会を与えられる「平等な機会=イクオリティ」を目指すべき姿であると考えています。そのため現在のP&Gでは、ダイバーシティに加えて、目指すべき「イクオリティ」とそのために欠かせない「インクルージョン」を総括した「イクオリティ&インクルージョン(E&I)」を掲げています。
多様な社員が、平等の機会のもと自分らしさを大切にしながら活躍できる組織を目指し、LGBTQ+(性的マイノリティ)の人々や、障害のある人々を軸にした取り組みも強化しています。
柔軟な働き方を実現するP&Gの社内制度
P&Gでは、多様な人材・働き方を支えるべく、一人ひとりが自分にあった働き方を選べる柔軟な社内制度を導入。また、社会の変化や社員のニーズにあわせて常に制度を進化・拡充させています。
・フレックスタイムの進化形 「フレックス・ワーク・アワー」(2000年~)
―勤務時間を月単位で管理し、コアタイムを満たせば日ごとの開始・終了時間を柔軟に調整可能
―特別な事由(育児や介護など)がなくても取得可能
・在宅勤務の進化形 「ワーク・フローム・ホーム」(2015年従来制度を拡充~)
―オフィスに限らず、自宅やそれ以外の場所でも勤務可能 (情報性セキュリティの確保などが条件)
―特別な事由(育児や介護など)がなくても、頻度や年次などの条件なく在宅勤務が可能。
・勤務地を選ばない 「ワーク・フローム・エニウェア」(2021年~)
―各社員の事由に応じて、居住地を柔軟に選択でき、日本のどこからでも働くことを可能に。
・インフラの整備
―ビデオ会議や社内チャットシステムの活用、クラウドサービスなどをフル活用し、オフィス外でも効率的に業務を行うことが可能
P&Gのインクルージョン推進の変遷
1992 年から30年以上に渡って、ジェンダー平等やダイバーシティ、インクルージョンの推進とイクオリティの促進に取り組んでいます。
① ジェンダー平等における最近の取り組み
P&Gは、すべての人にとってよりよい世界をつくり上げること、すなわち性別に対する偏見がなく、性別にかかわらず誰しもが平等な機会を得られる職場と世界の実現を目指しています。P&Gではジェンダー平等推進を含めたE&Iの取り組みの結果として、女性管理職比率が増加し、2013年に3割を超えました。また社内だけではなく、女性起業家に向けて育成プログラムを無償提供するなど社外のジェンダー平等推進にも取り組んでいます。
P&Gのジェンダー平等の取り組み
② LGBTQ+における取り組み
P&Gには「GABLE」という独自の言葉があり、これは「ゲイ・アライ・バイセクシュアル・レズビアン・トランスジェンダー・エンプロイー」の略で、LGBTQ+(性的マイノリティー)当事者と、その理解者・支援者である社員(アライ)の総称です。GABLEの使命は、LGBTQ+の社員や支援するアライ、そして全ての社員が安心して自分らしく、最大限の能力を発揮することができる、安全かつインクルーシブな職場環境をつくっていくことです。
P&GのLGBTQ+ コミットメントへの取り組み
・Equip(社員の知識やスキル構築) 各層に向けたGABLE研修(経営層・人事部門・管理職・全社員)、アライメンバーに向けた、より知識を深めるための定期的な講習等の実施。
・Demonstrate(社員一人ひとりのインクルーシブな行動を推進)
ステッカーやIDストラップ等によるアライの表明、社内制度の整備(同性パートナーシップ等)、定期的な社内ニュースレター配信や啓発イベントの企画等の実施。
・Advocate(LGBTQ+当事者を含む多様な全ての人が自分らしく生きられる社会を目指して)
社外向けシンポジウムの開催、製品ブランドによるメッセージ発信、社外向け研修プログラム「アライ育成研修」の無償提供、「LGBTQ+とアライに関する全国意識調査」の実施、多様性に配慮した接客を提案する「インクルーシブ・ショッピング ハンドブック」の一般への無償提供実施等。採用活動では面接担当者に対する研修、エントリーシートの性別選択肢(男・女・答えたくない)、写真の撤廃等。
③ 障害者における最近の取り組み
P&Gでは、障害は個人にあるのではなく社会側にあると考えます。また英語で障害者を意味するPWD(People with Disabilities)を「PWD=People Who are Differently-abled(異なる才能を持つ人々)」と考えています。私たちは障害のある人を含めた多様なすべての社員が「最高の自分」でいられる魅力的でインクルーシブな職場環境と文化を育んでいくことを目標に掲げています。
2020年には、社内でPWDアライコミュニティを立ち上げました。互いの違いに関する理解を深める一歩として、国際障害者デーをきっかけとした「P&G PWDインクルージョンウイーク」の開催や、PWDに関する情報や活動を社内に紹介し、社内ニュースレターの配信やオンライン研修、障害のある学生が職場見学できるジョブシャドウなどを実施しています。
P&GジャパンのPWDへの取り組み
社外啓発組織
「P&Gインクルージョン啓発プロジェクト」
P&Gジャパンは2016 年に、社外啓発組織「P&G ダイバーシティ&インクルージョン啓発プロジェクト」を発足いたしました。同プロジェクトでは、ダイバーシティ(多様性)・イクオリティ(平等な機会)・インクルージョンの啓発活動と、P&Gが独自に開発した管理職向けインクルージョン研修プログラムの他企業への無償提供を軸に、講演やヒアリングなども随時行っており、これまでに780社以上の企業・団体にノウハウを提供しています。また、2021年より新たにLGBTQ+の理解者・支援者の輪を職場や社会に広げることを目指して「アライ育成研修」を社外に無償で展開しています。
・活動 1:イクオリティ&インクルージョンの啓発
外部講演やシンポジウムへの登壇などを通じて、ダイバーシティ・平等な機会・インクルージョンの意義を啓発
・活動 2:「インクルージョン研修プログラム」を社外に無償提供
P&G が開発したインクルージョンの研修プログラムを、他の企業や団体に無償で提供
・活動 3:「アライ育成研修」を社外に無償提供
LGBTQ+へのアライ(理解者・支援者)の輪を広げるP&G独自の研修プログラムを他企業や団体へ無償提供
~インクルージョン研修プログラム~
多様性と平等な機会の推進を形だけに終わらせない、個人の“ インクルージョン・スキル” (=個々の多様性を受け入れ活用する能力)を身につけるために、P&Gが独自開発した管理職向け研修プログラム。30年以上に渡ってインクルージョンへの取り組みを推進してきたP&Gの知見やノウハウを、日本社会に広く共有すべく、門外不出だった研修プログラムを、日本の企業様・団体様に無償で提供しています。社内でも特にイクオリティ&インクルージョンに精通した社員や執行役員が講師を担当し、講義だけではない活発なグループ討論によって気づきを促し、理解度をさらに高めることを狙いとしています。 「P&Gジャパン オンライン インクルージョン研修会」を開催(プレスリリース)
~アライ育成研修~
2021 年よりLGBTQ+に対する「アライ」(理解者・支援者)の輪を日本社会に広げることを目的として、社外の企業や団体向けに「アライ育成研修」の無償提供を行っています。前半の講義パートでは、性の多様性についての知識を身に付けるほか、P&Gの事例などを通し、インクルージョンの重要性について理解を促進します。そして、後半のワークショップでは、参加者同士でのディスカッションを通して、参加者一人ひとりが、「アライ」可視化の重要性、明日から「アライ」として何ができるか、「アライ」がもたらすものとは何かを考え、少しでも多くの参加者が「アライ」としてのスキルを身に付けることを狙いとしています。これまでに、170以上の企業や団体の700名以上の方々に研修プログラムを提供してきました。
LGBTQ+へのアライの輪を広げるP&G独自の「アライ育成研修」を社外向けに無償提供